セピアの栞
ソウジ(Souji)재생 0회
午後四時の影が伸びて 川沿いの道を染めて 銀杏の匂い 鼻をくすぐる 歩幅を合わせて ゆっくり進む 自転車の音 カバンの中のパンフレット 学祭の残骸を連れて 冷えた指先 袖に隠して ホットレモンが ぬるくなる オレンジの川面 揺れて 風が頬を 撫でていく 悲しくはないけれど 少しだけ 立ち止まる 今のままで いいような そんな気がした ガタゴトと響く 市電の音に 身を任せながら 歩いて帰ろう 先輩に借りたマフラー 小さな毛玉を見つけた 指でつまんで 風に飛ばして 明日のレポート 少し気になる だけど今はいい 誰もいない遊歩道に 自転車のベルを鳴らした 独り言のような 軽い響き 空に吸い込まれていく オレンジの川面 揺れて 風が頬を 撫でていく 悲しくはないけれど 少しだけ 立ち止まる 今のままで いいような そんな気がした 特別なことは 何もない ドラマみたいな 奇跡もない ただこの空が 綺麗すぎて 瞬きを忘れてしまう 名前のない 感情が 胸の奥で ほどける オレンジの川面 揺れて 風が頬を 撫でていく 悲しくはないけれど 少しだけ 立ち止まる 今のままで いいような そんな気がした ガタゴトと響く 市電の音に 身を任せながら 歩いて帰ろう
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