砕銀の徒花(さいぎんのあだばな)
きよ(Kiyo)68 回再生
夜を裂く半鐘の音 朱に染まる江戸の空 十年の時を超えて 蘇る紅い悪夢 熱風に煽られて 加速する胸の鼓動 握りしめた纏の重さ 震える足を今 踏み出して 瞼の裏 焼きついた影 二度と誰も 離さない 舞い散る火の粉を 振り払え 地獄の淵まで 駆け抜けろ 失った命の 灯火を この胸の奥で 燃やし尽くせ 宿命を背負い 闇を裂け 火消しの意地を 見せつけろ 叫びは空へと 突き抜けて 私はここで 生き抜くから 嗚呼 燃え盛る道へ 嗚呼 迷わず進め 炙られる板塀の熱 瓦礫の中 響く声 足元に落ちた木札 あの日君が 持っていた 守れなかった約束 灰となって 宙を舞う 涙さえも 乾き果てて 激情だけが 道を照らす 過去の後悔 抱きしめて 炎の中へ 飛び込め 火柱の渦を 切り裂いて 絶望の先へ 突き進め 消えそうな記憶の 欠片さえ 力に変えて 立ち上がれ 纏を高く 掲げろ 誇りを胸に 吼えろ 祈りは火の粉に 紛れても 私の意志は 消えはしない 風鈴が 揺れていた 笑い声 遠い夏 川辺を吹く 風の匂い 「守るよ」と 呟いた 嘘には したくない だから 私は行くんだ 舞い散る火の粉を 振り払え 地獄の淵まで 駆け抜けろ 失った命の 灯火を この胸の奥で 燃やし尽くせ 宿命を背負い 闇を裂け 火消しの意地を 見せつけろ 叫びは空へと 突き抜けて 私はここで 生き抜くから 嗚呼 緋色の空へ 嗚呼 命を燃やせ
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