水
歌词
古いアパートの二階 木造の床が小さく歌う 中学の頃の青い傘 歪んだ骨を指でなぞる 鉄の匂いが少しだけ 春の空気に混ざり合う 窓の外は淡い小雨 部屋干しの柔軟剤の香り 三分おきの各駅停車 水しぶきが遠くで跳ねる あの傘をさして帰るの もう何年前だっけ 引き出しの奥で見つけた 宛名のないラブレター 誰を好きだったんだっけ 思い出せないけれど 胸の奥がふわりと 温度を上げているの 雨音に溶けていく 柔らかなノスタルジア ぱさり、と傘を閉じて ゆらり、と記憶が揺れる ノートの切れ端に 走り書きした青いインク 滲んだ文字の丸みが 当時の私を映し出す 窓辺に止まった雀が 羽を休めてすぐ飛び立つ コップの麦茶が揺れて テーブルに置くかすかな音 ベランダの水仙の蕾 雨粒を静かに弾いてる 何もしない十五分が 今はとても愛おしい 引き出しの奥で見つけた 宛名のないラブレター 誰を好きだったんだっけ 思い出せないけれど 胸の奥がふわりと 温度を上げているの 雨音に溶けていく 柔らかなノスタルジア 街灯がビニールに滲んで 光の粒が窓を伝う 正解なんてなくていい 結末なんていらなくて ただこの温かい感触を 抱きしめていたいだけ (Wurlitzerの柔らかな響き) (雨音と遠い電車の音) 引き出しの奥で見つけた 宛名のないラブレター 誰を好きだったんだっけ 思い出せないけれど 胸の奥がふわりと 温度を上げているの 雨音に溶けていく 柔らかなノスタルジア まあこんな午後もいっか ゆっくりとほどけていく まあこんな午後もいっか 雨と共に流れていく
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