緋
Letra
埃の舞う屋根裏で 月光が天窓を叩く 冷たい雨の音だけが 僕の孤独をなぞる 低く響くピアノの音 秒針は止まったまま 古い手紙に滲んだ 血のように赤いインク 文字が浮かび上がり 禁忌の扉が開く 歪み始める境界線 絵の中の君が笑う 届かない指先 涙を拭うことさえ 僕には許されないのか? 永遠に止まった時間 この部屋で溺れて 忘れられぬ哀しみを 愛の残滓を抱いて 嗚呼 硝子が割れる 高音の悲鳴が 闇に溶けてゆく 狂おしいほどに 消えた作家の魂 筆跡は震えていた 肖像の瞳に見つめられ 動悸が加速してゆく 重くうねる低音の影 逃げ場のない密室で 蝋燭の火が揺らめき 君の影が手招く 意識は遠のいて 幻想が牙を剥く ギターが夜を切り裂く 絵の中の君が笑う 届かない指先 涙を拭うことさえ 僕には許されないのか? 永遠に止まった時間 この部屋で溺れて 忘れられぬ哀しみを 愛の残滓を抱いて 震える声で囁く 「僕もそこへ行けるの?」 鏡の中の自分さえ もう他人に見える 絶望と陶酔の渦 ファルセットが宙を舞う 絵の中の君が笑う 届かない指先 涙を拭うことさえ 僕には許されないのか? 永遠に止まった時間 この部屋で溺れて 忘れられぬ哀しみを 愛の残滓を抱いて もう戻れなくていい この額縁の中で 君の一部になろう 永遠に 永遠に
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