千年峠の朱い鳥、忘れじの神と散る桜
きよ(Kiyo)56 plays
煤けた雨が 頬を撫でてゆく 燃え落つる門 影は紅く 鉄砲の煙 咽せる夜明け前 鬨の声さえ 遠く霞んで 誰が為の夢 灰に消えゆく 瓦礫の底で 鼓動を聞いた 血の色を 溶かして流れる川 祈りさえ 泥にまみれて それでも私は 立ち上がる 震える指で 泥を拭って 山吹の夢 泥に落ちても 拾い上げたは 錆びた鎧袖 あなたはもう 露と消えたけれど 私はゆく 命を繋いで 来年の春 峠の向こう 咲き誇る花を 独りで見守る ああ 乱世の風に吹かれて ああ 涙は雨に隠して 藁草履濡れ 足は重くとも 名もなき者の 恋は捨てられぬ 武功の数より 尊き約束 土の奥底 息を潜めて 将軍の名は 誰も知らずとも 二人の日々は ここに息づく 篝火が 闇を切り裂く夜 思い出が 胸を突き刺す 死にゆくことより 生き抜くこと それが一番 険しき道と 山吹の夢 泥に落ちても 拾い上げたは 錆びた鎧袖 あなたはもう 露と消えたけれど 私はゆく 命を繋いで 来年の春 峠の向こう 咲き誇る花を 独りで見守る 空蝉の世は 儚き幻 揺れるドクロを 照らす月影 愛しき人の 遺した温もり 錆びた鉄に 宿る真心 霧は深く 前は見えずとも 一歩ずつ 確かに踏みしめて 雨は上がり 雲は流れて 東の空が 白く染まる 山吹の夢 泥に落ちても 拾い上げたは 錆びた鎧袖 あなたはもう 露と消えたけれど 私はゆく 命を繋いで 来年の春 峠の向こう 咲き誇る花を 独りで見守る ああ 乱世の風に吹かれて ああ 涙は雨に隠して 山吹の花 散り急ぐなと 願う心は 誰にも奪えぬ
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