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栞の跡と、レモンの空き箱

ソウジ(Souji)

74 main · 0 kegemaran · 3:53

Lirik

十年ぶりの 改札口を抜け
不意の夕立 傘も持たずに
路地裏へ 逃げ込んだ
靴下に染みる 冷たい感覚
アスファルトが 吐き出す匂い
あの頃と 何も変わらない

すりガラス越し 漏れるオレンジ
古びた書店の 軒先で
滴を湛えた 風鈴がひとつ
揺れるたびに 記憶を叩く

レモン味の飴 溶けて消えた
酸っぱい記憶が 喉を焼く
「いつか物語にしよう」なんて
笑い合った あの日の雨宿り
君の分の季節も 抱えたまま
僕は明日を 綴り始める

滴る水滴 琥珀の灯り
消えない痛みも 連れていく

文芸部の部室 埃の匂い
ページを捲る 指の重なり
古い文庫本の 栞の跡が
今もそこに 君を留めてる
回し読みした 結末の先を
一人で読むのは まだ怖くて

空になった レモンの空き箱
捨てられずに 鞄の底
雨音だけが 叱りもせずに
僕の隣で 寄り添っている

レモン味の飴 溶けて消えた
酸っぱい記憶が 喉を焼く
「いつか物語にしよう」なんて
叶わなかった 約束の続きを
君の分の季節も 抱えたまま
僕は明日を 綴り始める

ずっと蓋をして 逃げてきたんだ
水飛沫に 映る横顔
「忘れないこと」が 呪いじゃなくて
光になると 気づいたから
雨よ降れ 心を洗うように
等身大の 僕に戻るまで

レモン味の飴 溶けて消えた
酸っぱい記憶が 喉を焼く
「いつか物語にしよう」なんて
笑い合った あの日の雨宿り
君の分の季節も 抱えたまま
僕は明日を 綴り始める

雲の切れ間に かすかな虹
歩き出す背中 濡れたまま

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