水銀灯と金魚のノイズ
ソウジ(Souji)재생 37회
雨音が混ざるビニールのノイズ 埃を被ったエレピの音 4時半の空は薄紫 カウンターの隅に座り 塩キャラメルの瓶を眺め レモンティーを一口啜る コースターには丸い輪染み 窓硝子に映る僕の顔 少しだけ疲れて見える でもそんなに悪くはない 秋の終わりの風の匂い 静かな時間が流れていく バッグの底を指で探り 見つけ出した小さな紙 それは期限の切れたチケット あの頃の僕らの忘れ物 映画は観に行けなかったね 約束は破れてしまったけれど あの日の熱は本物だった 無駄なんてひとつもないよ 優しいため息をひとつ吐いて 今の自分をそっと認める 揺れるナイロン弦の調べ ウッドベースが胸に響く 懐かしさに身を委ねて 微睡みの中を泳いでる サークルの部室の喧騒 意味のない議論で笑い合い 「いつかこれ観に行こうね」と 無邪気に笑った君の横顔 今はもう遠い街の空 それぞれの道が続いてる 指先でなぞるチケットの縁 少しだけ胸がキュッとなる でもそれは苦い味じゃなくて 温かいお茶のような余韻 約束は果たせなかったね 物語は始まらなかったけれど 交わした言葉は消えはしない 無駄なんてひとつもないよ 優しいため息をひとつ吐いて 今の自分をそっと認める ブラシが刻む不規則なリズム 眠気を誘う午後の光 後悔は淡い影になって 安らぎの隣に座ってる 昔の僕に手を振るように 今の僕を一歩進める レモンをスプーンで押し潰し 酸味を少しだけ足してみる 現実はいつも少し苦くて だけど愛おしいものだから 映画は観に行けなかったね 約束は破れてしまったけれど あの日の熱は本物だった 無駄なんてひとつもないよ 優しいため息をひとつ吐いて 今の自分をそっと認める 揺れるナイロン弦の調べ ウッドベースが胸に響く 懐かしさに身を委ねて 微睡みの中を泳いでる これでいいんだと呟いて 思い出をそっと畳んでいく 雨音だけが強くなって 店内の灯りが灯りだす チケットはもうただの紙片 だけど捨てられない栞のように 財布の奥にチケットを 静かにそっと忍ばせて スマホの画面を点ける 次の予定が僕を呼ぶ 伝票を手に立ち上がって 薄紫の街へ踏み出す
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