錆
Testo
アスファルトの影 生温い夏の風 十年前の夢 遠く響く声 閉ざされたスロープ 消えかけたスコープ 無機質なロープ 揺れるヘリオトロープ 銀色のコンパス 失くしたはずのパス 滲むネオンのガス 足元を照らす 震える指の先 見つからないままの空き 指し示した北を 信じていた昨日 狂い出した鼓動 戻れない軌道 重い空気を切り 歩き続ける霧 答えはまだ塵 夜が明ける切り 回る針の先 光る街の空き 僕らだけの時 揺れる夏の吐息 ひび割れた溝の中 トラックの揺れを待つ 溝をなぞる指先 虫の音が響く空き 迷路のような歩き 期待だけが届き 錆びついた銀色 探す僕の音色 重なる不協和音 響く街の体温 狂った方位磁針 震える僕の自信 フェンスの向こう側 揺れる夜の皮 指し示した北を 信じていた昨日 狂い出した鼓動 戻れない軌道 重い空気を切り 歩き続ける霧 答えはまだ塵 夜が明ける切り 風が吹いて、足元で乾いた音がした。 古いブリキの缶が、アスファルトを転がっていく。 中身は、空っぽだった。 あの日、確かにここにあったはずの銀色は、 もう、どこにもない。 でも、不思議だ。 何も見つからなかったのに、 胸のつかえが、少しだけ軽くなった気がする。 指し示した北を 信じていた昨日 狂い出した鼓動 戻れない軌道 重い空気を切り 歩き続ける霧 答えはまだ塵 夜が明ける切り 回る針の先 光る街の空き 僕らだけの時 揺れる夏の吐息
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