幻
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埃の舞う 午後三時 棚の隅で 眠る虹 三十年間 誰も触れず 埃を払う 指先震えず 定価は千九百八十円 僕の年齢と同じ 運命 十二ページ 十二月の 記憶 時計の 針が 刻む 孤独 既視感の 影が 伸びる 真実の 糸が 震える 地図にない 角を曲がれば 懐かしい 風が 吹けば セピア色の 記憶のパズル 欠けたピース この本に綴る 存在しない 故郷を求めて めくる頁 鼓動の果て 消えた街灯の 下で 僕は僕を 探して ベーカリーの 焦げた匂い 錆びたブランコ 揺れる影法師 二十四ページ 二十四の 季節 捨てたはずの 鍵の 秘説 インクの 染みが 滲んで 僕の 輪郭を 歪めて 三十ページ 三十日の 記録 過去の 自分が 綴る 毒 存在の 証明が 消える 偽りの 幕が 剥がれる 地図にない 角を曲がれば 懐かしい 風が 吹けば セピア色の 記憶のパズル 欠けたピース この本に綴る 存在しない 故郷を求めて めくる頁 鼓動の果て 最後の一頁 震える視界 貸出カードの 最後の誓い 僕の名前が 刻まれていた 三十年後の 君へ贈った これは予言か それとも遺言か 鏡の中の 僕は誰だ? 地図にない 角を曲がれば 懐かしい 風が 吹けば セピア色の 記憶のパズル 欠けたピース この本に綴る 存在しない 故郷を求めて めくる頁 鼓動の果て 消えた街灯の 下で 僕は僕を 探して 本を棚に 戻した 時計の音が 止まった 店先の 陽だまりの 中 僕は 幽霊に 成る ページを めくる たびに 昨日が 明日に 変わる 矛盾した 世界の 淵 答えは 既に 掌の 内
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