刻
Letra
エンジンを切った 山の静寂 ヘルメット脱げば 揺れる木々 梅雨の晴れ間 差した光が 土手の隅っこ 照らし出す 泥に塗れた 古い和紙の 糊の匂いが 鼻を突く 二百年前の 誰かの声が 指の先から 伝わった 墨が滲んだ 「来月には」 綴られたのは 短い約束 崖が崩れた 峠の道で 途切れたままの 飛脚の夢 時を止めたまま 眠っていた 今、僕の手が 扉を開く 風よ運べよ 二百年の想い 太鼓の連打 命の鼓動 石畳に残る わずかな足跡 三味線が刻む 絆の旋律 届かなかった あの日の文を 令和の空へ 解き放て 君に届ける 最後の使命 時空を越えて 魂が叫ぶ 届け 届け 風に乗って 繋げ 繋げ 時を越えて 赤いバイクは 峠を越える 飛脚が駆けた 同じ道 雨に濡れても 雪に降られても 誰かを想い 走る背中 その情熱は 今も変わらず 僕のハンドル 握らせる 見知らぬ二人が 繋がる瞬間 鈴の音が響く 山の裾 地図にはないさ 魂のルート 子孫が暮らす 街の灯り 託された念 枯れることなく 僕の胸へと 流れ込む もう一人じゃない 走り抜ける 今、約束を 果たす時だ 風よ運べよ 二百年の想い 太鼓の連打 命の鼓動 石畳に残る わずかな足跡 三味線が刻む 絆の旋律 届かなかった あの日の文を 令和の空へ 解き放て 君に届ける 最後の使命 時空を越えて 魂が叫ぶ 尺八が泣く 遠い記憶 ギターが吼える 現在の意志 重なり合えば 虹が架かるよ 悲しい事故も 無念の涙も 全部包んで 肯定に変えて 一通の文が 未来を照らす 届け 届け 風に乗って 繋げ 繋げ 時を越えて 歩みのような 太鼓の響き 一歩一歩と 確かな足音 郵便受けに 落とした重み 二百年目の 「ただいま」の声 風は止まない 想いを乗せて 太鼓の連打 明日への鼓動 時を繋いだ 誇りを胸に 三味線が舞う 祝福の旋律 届かなかった あの日の文は 今、微笑みに 姿を変えた 僕らは運ぶ 誰かの想い 永遠に続く 人の営み
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